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| そう、このエピソードの影の主役はジェロニモ。そして、木彫りの人形とナイフ。彼が木片を刻み始めたのとほぼ時を同じくして、ユウジが現れた。その後も何かに取り付かれるように彫り続けるジェロニモ。「彼らは…自分の死ぬ日を…何日も前に知っている…」というギルモア博士の言葉は暗示的です。崖に打ち寄せる激しい波音と、シュッ、シュッ、と木を削る音の２つをＢＧＭに、物語はクライマックスへと進んでいく。少しずつ形を整えていく木像。そして、ついにユウジはジェロニモのナイフでフランソワーズを刺した。胸にナイフが突き刺さったままのフランソワーズがゆっくりと倒れていくシーン、このコマ割りはこれぞ石森章太郎！！勇気を知り、自分というものの存在を守るために、死を選んだユウジ。けれど―――ジェロニモの言うように彼が「きっと前より幸福」だとしても、ユウジの死に自分を責めずにはいられないフランソワーズ。自然の営みの中で、自然の一部として生かされている人間。しかし自分たちに与えられた「不自然な」力は、自らだけでなく他人をも不幸にしてしまった、と。その痛みは、決して消えることはない。 そして、衝撃のラストシーン。完成した人形にナイフを突き刺し、ユウジが飛び込んだ海へと投げ込むジェロニモ。生命の重さと、その意味を知る彼だからこそ、その行為は弔いの儀式となり得るのです。 と、いきなりまとめてしまいましたが、実は、ここからが本題なのですね〜。そう、真の主役は、たった１０コマしか登場しないアヤツなんですもの〜！！！う〜む。いや、平成版のノリで、アヤツ、なんて気軽に言っちゃってますけれど、原作のアヤツをアヤツ呼ばわりするのは、まことに畏れ多いことでございます。ことに、この眼と耳編のジョーは、「島村ジョーはフランソワーズが傷つけられたら（を失ったら）正気ではいられなくなり世界をも破滅させてしまう最強サイボーグである」理論そのままに突っ走る「理想のジョー」なのですからっ！！！！罪を憎んでヒトを憎まず。「なんて酷いことをさせるんだ……ＢＧ、許せないっ！！」とか言って、心ならずも自分たちを攻撃しなければならなかった相手に同情し、「本当は戦いたくなかったんだ…」と涙を浮かべて呟く島村ジョーは、世を忍ぶ仮の姿なのです〜♪ 「……いったいだれがこんなことを！？」（しかし、キミは今までどこをほっつき歩いていたんだ？外泊までしてっ！）←あ、この時、思わずベッドについたジョーの手が、またまたいいんですよね〜♪さりげなくフランちゃんの身体に触れちゃったりして（お布団越しに）。そして、ベッドに横たわるフランちゃんの肩が剥き出しなのもポイントです〜♪これ、ファラオウィルスのときのネグリジェかな？（刺される前に着ていたネグリジェは、襟ぐりはつまってるし；；）だとしたら、誰があのリボンつきのブラウスから着がえせたのだろう〜〜〜♪とか、そんなこともあったのでしょう！（←？） 「…チクショウ！！」おおおおっ！怒ってる怒ってる怒ってる！！怒りでからだが震えてるっ！！怒りのあまり歯軋りしてるし〜〜♪ 「…まだそんなに遠くには―――」うわあっ！！！怒りを押し殺したジョー！！鋭く研ぎ澄まされた眼っ！！！きゃ〜怖いよう〜♪ そして。 あああああああああああ！！何て顔するんだ、ジョー！！！！ジョーの髪型があのような不思議な形であるのは、まさにこの振り向きざま、のシーンのためではないかと思うほど、かっこいいコマなんですよねっ！！！それにしても、あ〜〜んな恐ろしい眼で睨みつけるなんてっ！！！！！結膜炎の平成ジョーなんて、足元にも及ばないぞっ！！！！！あああ、ちょっと待って、ジョーっ！！！ユウジ君は、精神的に追い込まれ、心を操られたのよ。そりゃ、フランちゃんに迫ろうとしたけど、拒絶され、君の存在を知ったらおとなしく引き下がったのよ！。ナイフで刺しちゃったのだって、殆どマインドコントロールされて錯乱状態だったんだからっ！！ユウジ君だって被害者なのよ〜！！！！落ち着いて〜〜〜〜！！！とか叫んでも、怒りに火のついたジョーはもう誰も止められません♪いやはや、石森先生のライフワーク、サイボーグ００９全巻全コマくまなく探しても、あんな本気の怒りジョーはどこにもないのです〜！！！！！！！そう、原作の島村ジョーは強いのです〜〜〜♪♪♪♪ 「―――しまったっ……！！」とか叫びつつ、加速装置を使って、海面ぎりぎりで受け止める余裕はなかったのかな〜。全然考えなかったんだろうな、怒りのあまり理性を失ってましたもの。そういうところもジョーらしいのですよね。（そもそも彼は、決して理性的な人ではないので、「失った」という表現そのものが間違ってるかも（笑））その後すぐ、ジェロニモに声をかけられ、やっと我に帰り、それから初めてフランソワーズに事の顛末を説明しなければいけないことに気づいて、落ち込むんだろうな、ジョー。きっとジェロ君が口数少なく、「ユウジは死んだ。自分で死を選んだ。間に合わなかった」と黙り込むジョーの代わりに言ってくれたんでしょうけど。そう、ユウジは勇気を持って世界を破滅から救ったのです（違うって）。 その夜、様子のおかしいジョーに、「ねえ、本当のこと、教えて」と優しく尋ねるフランソワーズ。「咄嗟に加速装置を使っていたら、ボクが本気で助けようとしていたら、助けられたかもしれない。でも……キミを傷つけた奴は許せなかった。ボクは……心のどこかでそんな思いを打ち消すことができなかった」とかメソメソ言うジョー（この場合のメソメソは許します。あれだけ強ければ、メソメソしてもいいのです）を、「ごめんなさい、ジョー、私のせいで……」とフランちゃんがそっと抱きしめる……というお決まりの展開になっちゃうんでしょうが、ユウジ君をつい助けてしまって（水脈探しの杖の彼女は助からず）、フランソワーズを傷つけ、杖の彼女も失い、罪の意識に苦しむユウジを気遣うフランソワーズの姿に悶え苦しむジョー、というのも見てみたかったです、先生。な〜んて言ったりしたらバチが当たりますね。そんなことになれば地球が幾つあっても足りませんし。 あああっ、今回はやっぱり興奮してしまいました（涙）。支離滅裂な文章でごめんなさい〜〜！！とにもかくにも、満を持して臨んだ（←？ただ私が書くのが遅かっただけやん）原作コーナ、このエピソードを第１回に取り上げた理由をおわかりいただけたでしょうか？原作を未読の方は、ぜひお読みになってください！まさに問答無用（？）なエピソードでした♪ |
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