寒い寒い冬の朝
外は一面の銀世界
「ほら、見て、フランソワーズ！」
「可愛いわ！ジョーの力作ね」
その優しい笑顔が見たくて
早起きして作った雪だるま
「あれ、手袋してないの？」
「あ・・・いいの。大丈夫。冷たくないわ」
君はそう言って微笑んだ
ただでさえ今朝はこんなに寒いのに
そうやって雪を触ったら
君の柔らかな手はかじかんじゃうよ
なのに・・・
せっかくのモヘアが濡れてしまうから？
汚したくないから？
そんなに大事なの？あの手袋・・・
喉元まで出かかったその言葉を
僕は必死に飲み込んだ
「どうしたの、ジョー？」
心配そうな顔が、僕を見つめる
「いいや、何でもない」
こんなに僕が嫉妬深いと知ったら
君はきっと呆れてしまうだろう
「あ・・・ジョー？」
「ほら、やっぱりこんなに冷たくなってる」
君の手をとると、僕は自分の身体に直に押し当てた
「あったかいだろ？」
「あ・・・でも・・・そんな・・・」
大丈夫
僕が君を温めてあげる
溢れるほどの熱い気持ちに、一番近い場所で