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稲光に浮かび上がる、戦勝の女神―――冷戦の象徴ブランデンブルク門の頂上を飾る彫像。そう、明らかに「東」側からのアングル。降りしきる雨の中、動物園のトラックは、門の横の検問所にさしかかる。２４時間監視する国境警備隊。運転席のアルベルトと荷台のシートの下に潜むヒルダに、運命の時が近づく。 １９６１年８月１３日午前０時作戦開始の指令。４分後、ブランデンブルク門の境界線封鎖完了。その後、わずか３時間で建設された４３キロの壁（もちろん当初は、コンクリートの石柱と有刺鉄線だけでしたが）。ブランデンブルク門周辺の壁は特に堅固で３メートルを越えていたそうです。実際にこの「壁」を越えようとして命を落とした人はどのくらいいるか、ご存知でしょうか？ちなみに、１９４９年の東西ドイツ成立以後、１９６１年８月１２日までに、東ドイツから西側へ流出した人数は２，６８６，９４２人。壁建設後、１９８９年までに逃れた人は９５９，９０５人。その多さと比べてみると、驚かれるかもしれません。西側の統計では、７９人だそうです。たった７９人？それとも・・・７９人も？と思われますか？ 私の頭の中は、完全に７９人＋１人になってしまっています（笑）。でも、その最後の架空の１人が、７９人ひとりひとりに、それぞれかけがえのない人生があって、愛する人がいて、懸命に生きようとして命を落としたのだ、と教えてくれたような気がするのです。命がけで自由を求めて・・・挫折したアルベルトを待っていたのは、再び、生き延びるために逃げ、そして闘い続けねばならない過酷な運命。原作の設定の中でも、最も暗く重いエピソード。子供心に衝撃的でした。 なのでっ！！たった１回！わずか３０分（正味５分？）で、どうにかしよう、などとは思ってはいけないっ！！きっと、アルベルトさまが、壁の崩壊について、何か語られる日が必ず来るはず！そうね、その時は・・・しみじみとフランちゃん相手にお話するのがいいわね。２人は、美しい瞳が良く似ているもの。ですから、またこのシーンについては後日ゆっくりと（汗）。訳がわからなかったお子ちゃまたち、もうしばらく辛抱しててね（高校生でもちょっと無理かな・・・）。そう言えば、ベルリンの壁が事実上崩壊したのは、１２年前の１１月９日。だからアルベルトさまは思い出されたのかしら？・・・なんて考えすぎでしょうか。 |
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