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「彼らは神として生き、神として死ぬしかなかったんだ。人である道を閉ざされたために」 確かに彼らは神として生きることを強いられた。人としての記憶を消されて。でも、彼らは人として死んでいった、と私は思うのです。アポロンの絶望。正しいと信じてきたことが全てガイアの策略だったと知って。そして何より、愛するアルテミスを失って。あそこであのまま死んでいった彼こそ、人でなくてなんだろう。彼は神としての誇りの中で死んでいったのではない。深すぎる絶望の淵に突き落とされて。その絶望から、あの一瞬で彼を引き上げることは、恐らく誰にも出来ない。信じるものも、愛するものも失った彼。その思いがまっすぐで強ければ強いほど、絶望も深い。アルテミスの死に、呆然と立ちすくんだまま、大地に飲み込まれていった他のミュートスサイボーグたちも同じ。昨日を奪われ、人として生きる道を閉ざされた存在として作られた彼らは、明日を生きる意味も失ってしまった。今さらのように人であろうとすれば、逆にもう他に選ぶ道はない。 その道を閉ざされなかったことが、彼らとの「唯一、しかし大きすぎる違い」である００ナンバーたち。でも、ギルモア博士。あなたのしたことも、所詮ガイア博士と同じだしか私には思えないの。人の姿であるが故、過去の記憶を持っているが故の、彼らの苦しみを、本当にわかっているのだろうか？予告編の「誇りに満ちた戦いの日々」の言葉には、どうしても納得がいかない。あなたは苦しまなかったの？彼らを人の姿にしたことで「人間としての存在を消してはいない」と心の底から言い切れる？２話でアルさまが「心のうちまではわからない」、とおっしゃっていたけれど。博士の心の奥底についての答えは、次週の「ギルモアノート」に用意されているのでしょうか？ 空を覆う黒煙。哀しい戦いの址を見つめる００ナンバー達。２話の「脱出」のラストと同じシチュエーション。ＤＶＤでその向きが逆転していたのは、２５話のこの場面と対にするためだったのかしら？あの時、フランソワーズは呟いた。「終わったの？・・・これで終わったの？」でも、もう２度と彼女はそうは言わない。ただ黙って涙を流すだけ。重すぎる涙。もう自分達が生き延びるためだけに闘うのではないことを、彼女は知ってしまったから。だから、決して戦いは終わらない。もちろん、あの時とは違う。ずっとずっと強い絆で結ばれた仲間がいる。「戦いや悲しみのない世界は必ず来る」そう信じている仲間達が一緒にいる。 「僕達が戦う最後の人間になろう」 戦いをなくすための戦いになってしまうかもしれない。でも、たとえどんなに虚しい戦いになろうとも、どこかで誰かが止めなければならない。闘うことで生じる全ての痛みを、その身に引き受けながら。戦いや悲しみのない世界は必ず来ると信じて。信じることは、可能性を生む。その可能性こそが、希望。人は希望をもってこそ生きていけるのだから。 |
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