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「迷いを捨てられるのが神だ」 アルテミスの言葉。迷いつつも、神であるためには、彼女は迷いを捨てなければならない。でも神には迷いはない。神には正義しかないから。そうじゃない。神のすることを、神の意志を、人が勝手に正義と呼んできただけ。神はそれが正しいとか悪いとかの理由があって、自ら何かをするのではないから。神の下にいる人の行為を裁くことはあっても。 イワンのお目覚めで、何とか窮地を脱した００ナンバーたち（いつも起きていればねえ；；）。海に落ちた００９を助けようとする００３を、「お前もあとを追うか？」と嘲りつつ狙いすますアポロン。間一髪のタイミングで、００２が助けに来る。ホッと胸をなでおろすパン。 海に沈んだ少年を思いつつ、「あとは勇気だけだ」の言葉を反芻するアルテミス。全く勝ち目はないのに、もう人でないのに、なぜ彼らは愚かな人間達の側につくのか？人は人でしかない。どんな力を持ったとしても。たとえ体はサイボーグだったとしても、人であり続けたい、と願う００ナンバーたち。２２話のジョーとフランソワーズの会話を思い出させます。でも・・・予想もしなかったアルテミスの言葉。彼女らは、人であったときの記憶がない。そう。記憶は、その人がその人であるために必要な大切なものなのです。記憶を失ってしまった人は、自分が自分がであるのかどうかもわからない（うう、ウチのフランちゃん。しくしく；；；）。それを無理に消してしまうことは、人としての存在を消してしまうことになる。ギルモア博士の言うとおり。でも、改造したのがＢＧであるなら、ガイア博士の言葉の方がずっと説得力があります。私がＢＧの科学者なら、きっとそうするし、ウチの科学者達もそうします。たぶん。「人としての記憶など、能力の妨げになるだけ」だから。闘うための、人間型兵器としてサイボーグを作るならば。人間の可能性を広げるためにサイボーグを作るなんてほうが、よっぽど偽善的だと思う。でも・・・記憶を奪われ、偽りの理想（真の目的は別であるのに）を吹き込まれ、迷うことがなくなったミュートスサイボーグたち。彼らは「神」に仕立て上げられた。神が創造するはずなのに。彼らは、神と呼ばれる被創造物に過ぎない。創造したのは、僕であるかのように彼らに仕えるガイア博士。わかってみれば、彼らは、迷うことも許されない何て哀れな存在。人でありたいと今さら思っても、失った記憶はもう戻らない。そんなアルテミスにできることは、弟として「創造」されたアポロンを、弟と思って愛することだけ。愛すること、誰かを何かを愛したいと思う、その気持ちこそ、人である証。そう。アキレスのために涙を流したあなたは、確かに人だった。 |
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