パンドラの箱

「ウィルド！・・・ウィルド！助けて！私を助けて！」
君の声。苦痛に顔をゆがめて・・・絶望の涙を流している君の顔と重なる。
なぜ、思い出させる？ずっと、ずっと・・・閉じ込めてきたのに。　　
やめてくれ！僕に助けを求めないでくれ。
顔をそむけ、ぎゅっと目を閉じた。
思い出させないでくれ！もう・・・二度と。
僕は・・・助けたりしない。助けることなんか出来ない。
君さえも救えなかったのに。
ましてや・・・。　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第１８章　「パンドラの箱」
　　　