 わかっていたはずなのに。彼らが再び目覚める時。 それは・・・ 地に、空に、神の光が満ちていく。神の御業によって人々は救われる。自然を操り、おろかな人間に罪を悔い改めさせ、救い、導いていく。それこそが神。今、人々が目にする驚くべき出来事は、すべては神の意志によるもの。では神は何を望んでいる？もしも、「神と呼ばれるもの」が、「神によって目覚めた者」を使って人々を操り、人の心に干渉しようとしているのだとしたら、それは、結局・・・。 神。そして悪魔。両者の違いはどこにある？もしかしたら・・・ 一方、長い長い眠りについていた００１も、今、目覚めようとしていた。それはすなわち、仲間たちにとっても、新しい力の目覚めの時。だが神はそれを望んではいない。彼らの進化を妨げようと、精神（ココロ）へ先制攻撃を仕掛けてくる。 突然、闇に引きずり込まれ、その中で光に包まれるジョー。目の前に浮かび上がる光の塊。思わず手を伸ばした先には―――・フランソワーズ？なぜここに？そして、次々と姿を現す仲間たち。私も、このシーン、すごく好きです。ここでは、彼らは一方的に神から攻撃されてしまう、まだ弱い存在なわけだけれど、ああやってみんなが揃って立っているだけで（原作「神々との闘い」の例の印象的なシーンのアレンジですね）、仲間の絆を感じました。彼らの心の中には、いつも大切な人が、大切な仲間たちがいる。それを象徴しているように思えて。本編（１〜４９話）では、その絆が培われていく過程を描くのに、かなり苦労していたと思われますが。（そのことについては、また別のところで） 「人にして人にあらざるものたち。お前達のあるべき場所が何処なのか、己の心のうちに聞くが良い」 お前たちのあるべき場所。お前たちは、不完全な、愚かすぎる人間にすぎない。自分の心と向き合ってみよ。怒り、衝動。憎しみ。争いを求める気持ち。そうだ。世界は争いに満ちている。暴力。飢餓。破壊。血にまみれ、汚れきった世界。それに怯え、嫌悪しつつ、お前達はそれに対して何が出来たというのだ？争いを止めることなど、お前達にはできなかった。お前たちの闘いには意味がなかった。お前たちはただの愚かな人間。快楽。欲望。傲慢。そんなものに簡単に溺れてしまう。だが、それでいて、お前達は人間でさえない。見てみよ。己の身体を。人であって、人でさえない。他の人間（普通の人間）にとって、お前達は化け物にすぎない。人でないものが、なぜ人を救おうとする？人でさえないのに。そして、人々を「救う」のは、神だ。お前達は神ではない。神こそが、罪に穢れたものを滅ぼし、愚かな人間を導き、地上から争いをなくすことができる。だから、神の意志に逆らうな。無駄な抵抗をするな。神は、彼らにそのことを知らしめようとした。 ９人それぞれが神と出会う９つのエピソードと、神との闘いがメインの本編から構成されるという「完結編」。その序章にあたる前回と今回の放送は、おおまかな流れを超ダイジェストで見せてくれた予告編ということですね。正直言って、今までに発表された００９作品と絡む部分がこんなにもあるのか、とびっくりしてしまいました。特に２幕は、原作（「天使篇」「神々との闘い」「アステカ」など）や、今までの完結編についての石ノ森先生＆関係者のコメントなどが、すでに頭に入っていた人とそうでない人とでは、画面から読み取れる情報量、ずいぶん違ったのではないかな。「完結編」本編から抜き出した断片的な要素の寄せ集めだったように思います。でも本体の「完結編」では、その断片たちが織り成している１つの大きな物語が、当然きちんと語られるはず。９人がそれぞれ、神とどのように出会って、これまでの自分たちとどう向き合うのか。イワンが「キミ達は『まだ』闘える」と言っていたことからもわかるように、きっとその過程で彼らは、もはや自分たちに戦う意味などない、もう闘えない、とさえ思わざるを得ないほど、打ちのめされるのだろうし。けれど、仲間たちとの絆を思い、結局はアニメのラストのように、仲間のもとに集まって来る。果たして、神は何をしようとしているのか。新たなる闘いの日が来た。今までに経験したのことのない闘いが。彼らは神とどう闘うのか。そして、その果てにあるものは―――？それらがすべて、明らかにされる。その日が来るのが怖いです。 |
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