 ザッタン人の過酷な支配に虐げられてきたプワワーク人を解放したＢＧ。「我々に従うなら、お前たちに未来を与えよう」「自由と平和を与えよう」高らかに宣言するＢＧを、救世主のように迎え入れる彼らの姿は、ナチスの支配から解放され、歓喜の声でスターリンや社会主義を受け入れた東欧諸国に重なるのです。 けれど―――誰かに支配されることと引き換えに得た自由や平和に、未来はない。そんな自由も平和も、偽りのもの。なぜなら、未来は、自分たちの手でつくりあげるものだから。真の自由のない、抑圧された生活から、何とかして抜け出したい。そんなビーナたちの思いを、一番理解できる立場にいるのが、００４だった。かつて彼も、自由を求めて、未来を求めて、壁を越えようとしたのだから。けれど、彼は失敗し、最愛の人を失った。大切な人を失うことがどういうことか、彼にはよくわかっている。だから、疑う。臆病者と謗られようとも。大切な仲間の命が、かかっているとなれば。 でも、ＢＧを倒さなければ、未来はない。それはビーナたちも、００ナンバーも同じ。ビーナの話を信用しようとしない００４と００２に、００９は言う。彼女の言葉を信じる信じないの問題じゃない。ＢＧを倒さなければ。ＢＧと闘うために、地下へ行かなければ。自分たちがＢＧと闘い続ける限り、また茨木たちのような犠牲者が出る。自分たちは、望むと望まざるとに関わらず、闘わなければならない。ならば、はやく、こんな闘いは終わらせたい。僕たちが、闘う最後の人間になる。たとえそれが罠でも、ＢＧの本拠地にたどり着けるというなら――― 「ジョー・・・」 フランソワーズの優しい共鳴。そして同じ思いの仲間たち。最後の、苦しく厳しい闘いを前に、ひとつにまとまっていく００ナンバーたちの心。 ところが、ビーナたち姉妹の結束が綻びていく。怯えて、ボグートに内通するダフネ。でも、それは、いかにザッタンの支配が過酷であったかを示すもの。ＢＧがどんなにプワワーク人を利用しようと、彼らは、ザッタン人のように自分たちを食糧にしたりはしない。いつも、死の恐怖と戦い続けた日々に比べれば、たとえ自由がなくても、ＢＧの下では生きていくことだけはできる。ダフネがそう思うのも、無理はないのかもしれない。この５姉妹の葛藤。そそられますね〜！今後の展開、読めなくて、ドキドキです！ |
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