 別の時代に飛ばされた００９とリナ。００９を思う仲間たちの心が一つになり、彼らはシンクロワープに成功し、再び出会えた。けれど、そこは、ＢＧの支配する「未来」。平和な未来を信じてきたのに。自分たちの戦いに、意味はなかったのか？動揺しつつも、共に望む未来を作り上げていこうとする仲間を信じて、彼らは迷いを振り切り、今の時代へ戻ってきた。闘うことを運命づけられた時代へ。そして、そこで彼らを待っていたのは、ガモと決着をつけるための戦い。そして、次々と明らかになる衝撃の事実。息子への愛ゆえに行った脳手術。そして、戦いに、イワンを巻き込みたくないから無理やり眠らせた。ガモは、イワンを本当は愛していた・・・。はあ〜〜〜〜〜。いや、それはそれでいいんです。特にファミリー向けのアニメなら、仕方ないですね。しかも、「子どもを愛さぬ親があるか」と言う問いに「そんなの、あるわけないじゃない」と即答できない気持ちになってしまうようなニュースを、ちょくちょく耳にするこのご時世では、難しいですよね。でもせめて、息子を愛していたけれど、その肉親としての愛と、研究対象としての執着との間で激しく揺れるガモ、とか見たかったな。先週の予告を見る限りは、もう少しシビアな００ナンバーたちとの直接対決になるかな、と期待していたのですが。でも、その代わりと言っては何ですが、今回の主役１はケイン君！このシリーズ、ミュータントたちは全員よかった。キャラが４人ともくっきり立っていたし、最後のどんでん返しも意表を突く感じで。特にケインです。彼はとっくの昔に記憶を取り戻し、自分たちが何者で、何のためにこの時代に来たかを知っていながら、ガモに従っていた。彼らとはぐれ探しに来たニコルを、それが誰であるかを知りながら、殺した。彼は失望した、と言う。人は、望みを失った時、善なるものの意味を見失ってしまう。でもだからと言って、そんなに簡単に悪へと転じることができるのだろうか。人の歴史は戦いの歴史。「たとえ俺たちがＢＧを倒しても、決して戦争はなくなりはしない。これが人間の本質だ」あれ？いいのか？ここでこれを言っちゃったら、あの３つの脳は何を言うんだろう？ともかく、ケインは言う。「失望する一方で俺は理解もした」「戦うことは面白い」人類の快感の行きつくところ。人類の滅亡。未来は、まさにそれを体現しようとしている。そして今、彼はまさに手に入れようとしていた。闘っている相手の命を奪う、最高の瞬間を。その時。リナはニコルの力を借りて、ケインとともにラビリンスへシンクロワープする。二度と戻ってこられない時空の迷宮。時の狭間の世界へと。そしてフィル。リナへの思いが、ガモへの憎しみを増幅させ、ガモの命を奪う力となる。リナも、フィルも、平和が欲しくて、平和な未来を作ろうとして、ここまでやってきた。けれど、最後に彼らを動かしたのは、むしろ、怒りや憎しみの感情に近いものだった。ミュートス・ラストのアポロンと同じ。そんなふうに見えたのがとても悲しい。人を闘いに追い込んでいくもの。それは怒りや、憎悪の連鎖。もともとその根っこにあったのものは、誰かへの愛だったのに。愛は平和を願う気持ちの根源。けれど愛するものを失った時、人は怒りや憎しみの虜になるしかないのでしょうか？ |
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