リナの記憶を呼び覚ましたニコルの遺品の通信機。恋人達の思いを繋ぐもの。今、それを「現在」に残されたフランソワーズが、必死に握り締めている。拾ったその通信機を黙って彼女に渡しただろうジェット！君はほんとにいい奴だ！みんなも００９のことを心配しているのはわかっている。いろいろと理屈を並べて起こったことを解釈し、ある意味、建設的に気を紛らわせようとしていることも。わかっているのに、自分の感情を押さえきれない。彼女は、仲間の中でただ一人、ジョーが消える瞬間を「見ていた」。彼は忽然と姿を消してしまった。今、どこにいるのかはわからない。見たくないものを見なければならないこの疎ましい能力は、一番肝心なもの、本当に見たいと思うものを見せてはくれない。「過去も未来も見えるといいのに」とても哀しい呟き。過去から来た彼女にとって、「時」はとても重い壁。望まない時の中で生きなければならない彼女を、「現在」に積極的に結び付けているもの。きっと、それがジョー。おそらく今まで自覚していた以上に、自分の中で彼の存在が大きくなっていたことに、彼女は気づいたのでしょう。今、そんなフランソワーズを慰められるのは、００２と００４。きっと冷凍睡眠後、目覚めた彼女がどれだけ絶望し、混乱したかを知っているだろうから。でも、ジェットはまだ若い。元気づけようとしていろいろ言葉をかける。予想以上に沈んでいる彼女を前にして、当惑してつい言ってしまう。「一人で悲劇を背負い込んでるようなポーズは、勘弁してもらいたいね」そう言えば、勝気な彼女のことだから反発してくると思ったのでしょうか？だけどその作戦も裏目に出てしまった。でも彼女は、仲間たちと一緒にいて、感情をコントロールできない自分にも苛立っていたのだと思う。だからこそ一人になりたいと思ったのに、優しくて不器用なジェット君が来ちゃった。その点、アルさまは、さすが大人。中途半端な慰めは、かえって辛い思いをさせると知っているから、見て見ぬ振りをした（のだと思う）。本当の慰めが必要な時を、アルさまは知っているから。でも「どうして俺は、こう・・・」なんてしょげちゃうジェット、いじらしいな。彼は「決戦」の時に、すでに気づいていた。あの時も、「うじうじしてないで、さっさと思い切っていこうぜ！」って感じで、彼女を励ましたつもりだったのにうまくいかなかった。自分の慰め方は、彼女には通じない。通じるのは自分ではなくて、ジョーの言葉や仕草。２人の特別な「信頼関係」（あの頃は、とてもまだ恋愛感情とまではいかなかったでしょうが）。それを呆れたフリをしながら見守ってるジェットが、切なくて。その彼の株を急降下させたのが、あの「勘違い」発言の連発。あれはグレートにでも言わせておけばよかったですよね。（ごめん、グレート！）もしかしたら、彼なりの最後の悪あがきだったのかもしれませんが。でも、ジェットのフランちゃんへの気持ち、恋愛感情って感じはあまりしないんですよね。生々しく（？）ない。第１世代同士のいたわり、とか思いやりの気持ちの方が強い気がする。でもそれは、第１世代の背負っているものがいかに重いかを突きつける証拠のような気がして、とても辛い。うう、脳天気に未来を信じていた島村くんに本当にフランちゃんを支えられるのか、一抹の不安が。いやいや、ジョーも大きく成長するのはこれからよね。フランソワーズもジェットもそう。「ヨミ篇」までの彼らは、まだまだ発展途上だもの。 さて、期待と不安が交錯する来週。ジョーと再会したフランちゃん。泣いたりしないで、毅然としててほしいな。そして辛い立場のイワンを、仲間達がどれだけ支えられるのか。残りあと１１話。大事なヨミ篇前の締め、しっかりお願いします！ |
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