 ＊「旧約聖書」イザヤ書 （日本聖書教会 新共同訳） |
砂漠に朝が来る。故郷へと向かう００５。空を舞うイーグル。創造主である神に最も近い場所にいるイヌワシは、神のメッセージを人に伝え、人間の祈りを太陽に伝える神聖な存在。しかしそこで、彼が目にしたものは、荒れ果てた故郷の大地。誇りを、全ての自然に宿る聖霊を敬う心を失ってしまった同胞達の姿。それを嘲るように煌煌と輝く人工の灯り。 巨体を見込まれて、ＢＧにスカウトされた。真の目的など知らずに。彼にとっては、前向きな選択であったはずなのに。目覚めると、誰かが自分を００５と呼んだ。もう元の自分ではない。戦うための道具にされて。確かに、自らの意思でそこへ行った。けれど、こんな生き方を望んだわけじゃない。これから自分はどう生きる？その答えを探すために、彼は捨てたはずの故郷を目指していた。しかしそこで人々は母なる自然を蹂躙し続けていた。自然は金儲けのための道具に過ぎない。ただ、自分達の欲望を満たすための。それは、ＢＧがサイボーグを改造し、争いを引き起こしているのと同じこと。 でも、懸命に生きている人たちもいる。不毛だったはずの土地に、実るトマト。人間の知恵と努力で、不可能を少しずつ可能に変えていった。厳しい自然と共に、与えられた場所で懸命に生きようとする。それもまた、人の姿。その姿は美しく輝いている。 しかし、そんな人々にさえも襲い掛かった青いけもの。世界中で暴れまわっているこの化け物は、やはりＢＧの仕業なのか？そのけものと対峙した００５は半ば慄きながら問う。 「お前はいったい何者なのだ？」 Sanctus,Sanctus,Sanctus, Dominus Deus Sabaoth. Pleni sunt coeli et terra gloria tua. 聖なる、聖なる、聖なる万軍の主 主の栄光は、地を全て覆う＊ けものが語りかける言葉は、まさに神の啓示。けものは言う。なぜ気づかない？その愚かな行為を続けることは、結局自分自身を滅ぼすことになるのに。このまま、お前たちを放置しておけば、全ての生きとし生けるものが迷惑を被る。それならば、いっそお前たちが滅びるべきなのだ。お前たちをはずして、私は新たな生命の鎖を作り直す。そのことをお前たちに告げに来た、と。 |
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