今日の買い物は大きな荷物になるから
一緒に行こうと約束していたのに
すっかり忘れて、海辺でひとりぼんやりしていたボク
痺れを切らした君は、ついさっき出かけてしまった
博士にそう聞いて慌てて追いかけたけれど
君の姿はいつものショッピングモールのどこにもない
おだやかな日曜の午後
笑いさざめき、楽しげに行きかう人々の群れ
どこに行ったんだい？
今、どこにいるの？
孤独の波に溺れそうになっていたボクの耳に
突然飛び込んできた、懐かしい笑い声
勇んで振り返ったボクは、けれど自分の目を疑った
いつもよりずっと楽しそうな君
屈託のない無邪気な笑顔は、いつもよりずっと明るい
いつのころからか気づいていた
ボクを見つめる君の瞳の奥に
なぜか微かな翳りが射していることに
遠くにあって届かないもの
もう二度と触れることの出来ないもの
懐かしさと諦めの混じったまなざしで
君の瞳はボクを見ている
柔らかな優しい笑顔なのに、とても寂しげで
時にはとても辛そうで
それを見ているボクの心も、たまらく苦しくなる
でも今の君は、とても幸せそうだ
その笑顔はとても自然で
瞳は蒼く澄み切った空のように輝いてる
そうだ
今まで考えてみたこともなかったけど
でも・・・
それって・・・
つまり・・・？ |
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