「そして2人は恋に落ちました。でも……」

オリュンポスの神々は、女神が人間の男に抱かれることを快く思いませんでした。
オリオンは、並外れた力を持つ巨人族の一人。その力のせいで、彼は人々からとても恐れられていましたが、所詮は神に造られた「人」でしかなかったのです。
卑しい人間の男が美しい女神を我がものにするなど、神々を畏れぬ冒涜行為。
オリュンポスの神々は、いつまでも2人の仲を許そうとはせず、ことにオリオンを愛していたアルテミスは、誇りを傷つけられ激しく憤りました。
2人を引き裂くために、彼女は恐ろしい計略をめぐらせました……


―――待っていて、フランソワーズ。
いつか必ずそこへ行くから。
だから、信じて待っていて。
闘って、闘って、全てを破壊して、何もかも終わるその時。
それまで僕は、闇に埋もれ、血にまみれて闘い続ける。
ただその最後の瞬間を迎えるために。
風は絶え、光は消え去り、もう二度と夜明けが来ないとしても。
でも、その時が来たら……僕は……やっと其処へ行ける。
君のいる場所へ。
その時、君は僕を迎えてくれるかい?
君を求めて懸命にさし伸ばす、汚れきったこの手を、振り解いたりせずに……

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